- あわせる
- I
あわせる【会(わ)せる・逢わせる・遭(わ)せる】〔「合わせる」と同源〕(1)二人の人が会うようにする。 《会・逢》「大臣に~・せてほしい」「離ればなれになっていた親子を~・せる」(2)好ましくない出来事に遭遇するようにする。 《遭》「ひどい目に~・せてやる」(3)男女を結婚させる。 夫婦にする。II
「かしづき給ふ四の君に~・せ給へり/源氏(桐壺)」
あわせる【合(わ)せる・併せる】※一※(1)二つの物がすきまなくぴったりと接するようにする。 《合》「割れた茶碗の割れ目に接着剤を塗って, ぴったりと~・せる」「手を~・せて拝む」(2)いくつもの数・量を合算する。 足し合わせる。 《合・併》「二と三を~・せると五だ」「二人の所持金を~・せても一万円にしかならない」(3)食品・薬品などについて, 数種類のものをまぜる。 混合する。 調合する。「赤味噌と白味噌を~・せる」「香を~・せる」
(4)抽象的なことについて, 二つのものが一致するようにする。「口裏を~・せる」「話を~・せる」
(5)しかるべき規準・標準に一致させる。「時計を正しい時刻に~・せる」「帳尻を~・せる」
(6)正しい規準と一致しているかどうか確かめる。「現金を帳簿の残高と~・せる」
(7)他とリズム・テンポなどが一致するようにして, ある動作をする。「力を~・せて車を押す」「声を~・せて助けを呼ぶ」
(8)二つのものが調和・適合するようにする。「上着に~・せてネクタイを選ぶ」「カメラのピントを人物に~・せる」
(9)異なる種類の楽器をいっしょに鳴らす。 合奏する。「琴と笛を~・せる」
(10)(「刀を合わせる」などの形で)双方が刀を持って戦う。「太刀を~・せる」
(11)(「…と顔を合わせる」の形で)偶然に…と会う。「あそこでみんなに顔を~・せるとまずい」
(12)相撲などで, 双方を戦わせる。「~・せる行司は式守伊之助」「十両の力士を幕内と~・せる」
(13)見た夢の意味を考えて吉凶を占う。 夢解きをする。「さま異なる夢を見給ひて, ~・する者召して問はせ給へば/源氏(若紫)」
(14)物合(モノアワセ)・歌合(ウタアワセ)などで, 二つのものをくらべて優劣を競わせる。「物語りのいでき始めの親なる竹取の翁に宇津保の俊蔭を~・せて争ふ/源氏(絵合)」
※二※動詞の連用形の下に付いて複合動詞をつくる。 《合》(1)物と物とを一つにする。「二枚の布を縫い~・せる」「原料をまぜ~・せる」
(2)互いにある行為をする。「誘い~・せて花見に行く」「駅で待ち~・せる」
(3)偶然にある同一の状態になる。「事件の現場に居~・せる」「同じ電車に乗り~・せる」
︱慣用︱ 顔を~・口を~・口裏(クチウラ)を~・心を~・力を~・調子を~・帳尻を~・手を~・肌を~・額(ヒタイ)を~・歩調を~・間を~合わせる顔がな・い面目なくて, その人の前に出られない気持ちだ。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.